英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。
英語プレゼン資料 テンプレート集 #010 : 「セールスレポート」
みなさんは、自分が担当している商品やサービスの販売状況をミーティングで報告することになったら、どんなプレゼン資料を作ろうと考えますか?
商品やサービスの販売状況を報告するための、いわゆるセールスレポートですが、一言でセールスレポートと言っても、誰が、誰に対して、何の目的で報告するのかにより、さまざまな種類があると思います。
例えば、自分が思いつくだけでも、セールスに関連する以下のようなレポートがあると思います。
- 販売数値レポート : 例:店舗のマネージャーが、営業本部に対して、商品の販売数と売上金額、時系列で見たときの販売のトレンド等を報告する「販売数値レポート」
- パイプライン・レポート : 例:B2B型のビジネスの営業担当者が、自分の上司や所属部署に対して、担当している各商談の進み具合や、商談全体として今年の目標を達成できそうかといった状況を報告するための「パイプラインレポート (営業活動報告)」
- マーケティングレポート : マーケティング担当者が、商品企画部門、開発部門、管理部門等に対して、営業部署から報告される販売実績をまとめ、更に市場シェアや顧客動向分析、売上を改善するための施策等を説明するための「マーケティングレポート」
- ビジネスレポート : 経理部門や管理部門が、経営層に対して、売上、コスト、利益、在庫等の実績をまとめ、年次の売上・利益計画との比較や、そのギャップの要因などを分析して報告する「ビジネスレポート」
(補足: パイプライン = 見込み顧客へのアプローチから始まり、初回商談、受注、契約等の一連の営業活動のプロセスのこと)
こうしたレポートは、配布用資料と会議用プレゼン資料の両方をそれぞれ作成する場合もあれば、共通の資料として作成する場合もあると思います。
今回の記事では、 1. 販売数値レポート、および 2. パイプライン・レポートを、シンプルな構成でまとめ、プレゼン/配布兼用資料として作成することを前提としたテンプレートのサンプルをまとめてみました。
架空の会社 ”Happy & Healthy Hamsters” 社の、ある地域の営業部門が、本社に対して①B2Cビジネス (一般顧客向けビジネス)の1カテゴリであるハムスター用オーガニックペットフードの商品シリーズの販売状況と、②B2Bビジネス (法人向けビジネス) の1つとして今取り組んでいるハムスター向け緊急救命設備の販売について、社内向けのレポートを作成するとともに、その資料を使って会議でプレゼンする、という想定にしました。
まずプレゼン資料全体の構成と目次 (table of contents) ですが、以下のようにしました。
目次のスライドです。
Table of Contents
- Executive Summary
- Monthly Sales Report
- Monthly Sales Report (Details)
- Gap Analysis
- Issues and Actions
- Q&A
これまでこのブログで紹介したテンプレートのサンプルでは、プレゼン資料の冒頭に来る「プレゼンの構成を示すスライド」のタイトルを「アジェンダ (agenda)」としていましたが、このテンプレートでは「目次 (table of contents)」としました。
配布して読んでもらう報告書としては、こちらのほうがより適していると思ったからです。
なお、目次、またはアジェンダを意味する英語としては、「table of contents」、「agenda」 の他にも、「contents」、「list of contents」などもあり、また「TOC (Table of Contentsの略) 」と省略して記載する場合もあります。
概要のスライドです。
Executive Summary
- We are able to achieve substantial increases in both number of sales and revenue in August
- The sales number of our major product lines increased by 15.5%, the sales revenue of those products increased by 14.1% from the same month of last year
- Year to Date sales continued to maintain high growth with 18.3% (number) and 16.7% (revenue) increase
[日本語]
概要
セールス指標・ダッシュボード
販売数量、売上額、粗利、コスト
- 私たちは、8月度、販売数量と売上の両面で大幅な増加を達成しました
- 主要製品の販売数量は15.5%、売上額については14.1%、前年同月に対して増加しました
- 年度初日から当月末までの累計についても、高い成長率を維持しています。 (数量 18.3%、売上額 16.7%)
補足:
このサンプルスライドでは、言葉による概要説明に加え、販売状況の好不調を判断するための指標 (Key Performance Indicator: KPI) をビジュアルに確認できる「ダッシュボード (dashboard)」も掲載しています。
スライドのタイトルは、これまでこのブログで紹介したテンプレートでは「Overview」をよく使いましたが、配布資料ですと「Executive Summary」、あるいは「Summary」というタイトルをよく見ますので、今回は「Executive Summary」にしています。
月次販売状況のスライドです。
Monthly Sales Report
補足:
ハムスター用オーガニックペットフードの販売、ハムスター向け緊急救命設備の販売、の2つの主要ビジネス領域について、商品別、地域別、月別の販売数値や案件の契約状況の全体像を一覧表やグラフを使って説明します。
こうしたスライドに載せる表やグラフ、データは、その部署で使っている販売管理用のExcelシートやCRM (Customer Relationship Management (顧客関係管理))ツール、ERP (Enterprise Resource Planning (企業資源計画)) システム等で管理しているデータをそのまま使うことが多いと思います。
それぞれの管理ツールで独自に設定している項目もいろいろあると思いますので、一般的なテンプレートのことをまとめているこの記事では、詳細については省略します。
販売数値について文書で補足説明する場合、以下のような言いまわしをよく使います。
- XXXX increased by YY% (YY%増加した)
- XXXX increased to YYYY (増加してYYYYとなった)
- XXXX decreased by YY% (YY%減少した)
- XXXX decreased to YYYY (減少してYYYYとなった)
月次販売状況 (詳細) のスライドです。
Monthly Sales Report (Details)
Opportunities Report - ER for Hamster
Oppo# | Opportunity Name | Customer | Amount | Target Close Date | Stage |
22 | New ER Room - XYZW | XYZW Animal Clinic | 52,000 USD | 10/31/2022 | Negotiation/ Review |
7 | Boston Hamster Center ER Room | Boston Hamster Center | 44,500 USD | 9/30/2022 | Proposal/ Price Quote |
3 | Second ER Room - ABCD Vet | ABCD Veterinary Hospital | 33,800 USD | 9/30/2022 | Closed Won |
8 | OPQR Pet Clinic ER Infrastructure | OPQR Pet Clinic | 28,000 USD | 9/30/2022 | Proposal/ Price Quote |
- #22: XXXXX XXXXXXXX XXX
- #7: XXX XXXXXX XXXXXX XXX
- #3: XXXXX XXXX XXXX XXXXX
- #8: XXXX XXX XXXXXX XXX
[日本語]
Negotiation/Review: 交渉/レビュー中
Proposal/Price Quote: 提案/価格見積提示中
Closed Won: 契約締結 商談成立
補足:
B2Bビジネスの「ハムスター向け緊急救命設備の販売」の、各案件毎の金額や目標契約時期、現在のステージをまとめたパイプライン・レポート (Opportunities Report) の形式を使って営業活動の状況を報告しています。
このスライドでは、進行中の商談の中から、当月度に契約が取れた案件や、特に注目してもらいたい案件を取り上げて、詳細を説明しています。(説明文は省略しました)
ギャップ分析のスライドです。
Gap Analysis
- XXXX, YYYY, ZZZZ increased .....
- WWWW decreased ..... (差分を要因別に分解して説明した文章: 省略)
補足:
売上の目標金額 (Target)と実績値 (Actual) の差について、どのような要素、要因が金額を押し上げたのか、または減少させたかについて、階段状のグラフを使って説明します。
課題と対策のスライドです。
Issues and Actions
Issue #1
-Cause of the issue:
-Action:
Issue #2
-Cause of the issue:
-Action:
[日本語]
課題と対策
課題 #1 (#2)
- 課題の原因
- 対策
Q&Aのスライドです。
Q&A
- If you have any questions, please feel free to contact us (XXX-XXX@XXXX.XXX)
[日本語]
質疑応答
- もし質問等あれば XXX-XXX@XXXX.XXX まで連絡ください。
ということで、今回はプレゼン/配布兼用資料として作成するセールスレポートとして、販売数値、パイプライン、ギャップ分析、課題と対策を説明するシンプルなテンプレートをまとめてみました。
今日のポイント:
プレゼン用でかつ配布もするレポートを作成する場合、「目次」のスライドの英語のタイトルは、「Agenda」よりも「Table of contents」のほうがより良さそうに見えたので、後者を採用してます。
また「概要」のスライドのタイトルは、配布資料の場合、「Executive Summary」あるいは「Summary」という文言をよく見ますので、今回は「Executive Summary」にしています。
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