英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。
英語プレゼン資料 テンプレート集 #003 : 表を使った進捗報告
今回は、課題に対して対応中の活動の「状況 (status)」や「進捗状況 (progress)」について説明するための英語テンプレートについてまとめます。
前回までの記事では、課題や問題の詳細説明(#001)、課題に対する対応策を説明するためのスライドのテンプレート(#002)をまとめましたが、対応が進むにつれて、進捗状況を説明する機会が出てきます。
予定どおり進捗してます! あるいは、手間取ってしまい、あまり進んでませ〜ん、といった現在の状況を説明しますが、いくつかのアクションを平行して実行しているような場合は、一覧表を使って相手に説明すると分かりやすく、そのような想定で英語のテンプレートにまとめてみました。
まずプレゼン資料全体の構成とアジェンダ (agenda) ですが、以下のようにしました。
Agenda
- Summary 概要
- Actions & status 対策と現在の状況
- Timeline 日程
- Risks リスク (日程が遅れるかも、といったリスク要素についてのまとめ)
なお、アジェンダの最初の項目を、「Summary」にしています。
前回の記事のテンプレート #002では「Overview」でした。
自分は、プレゼンテーションの最初で説明の概要を語る場合、「Overview」か「Summary」か「Executive Summary」というタイトルのスライドを作ります。
英語ネイティブの人たちにしてみると、きっとこれらの言葉が持つニュアンスがそれぞれあり、正確に使い分けたほうがよいのでしょうが、自分は以下のような我流な使い分け方をしてます。
・提案や方針の概要を先に語るとき:「Overview」
・進捗状況のまとめをプレゼンの冒頭や最後で語るとき:「Summary」
・配布資料にして、打ち合わせを欠席した人にも見てもらったり、忙しい人でもまずここだけ見てもらえば状況をつかんでもらえるようにしたいとき:「Executive Summary」
海外の人のプレゼン資料を見ても、この3つを使うことが多いように思いますが、「Outline」と書いたものもありました。
また、アカデミックな場で論文の発表をするようなプレゼン資料ですと、「Abstract」が一般的かな、と思います。
次に、対応状況や具体的な対策の進捗状況について説明するスライドです。
複数の対応について表にしてまとめることが多いと思います。
いろいろな書き方があると思いますが、使ったことのあるパターンをまとめてみますね。
Actions & Current Status
日本語
連番 | アクション名 | 担当者 | 目標完了時期 | 状況 | 補足 |
1 | XXXX | XXX | 2022/10/31 | 完了 | |
2 | XXXX | XXX | 2022/11/30 | 完了 | |
3 | XXXX | XXX | 2022/12/31 | 対応中 |
英語
Item# | Action | PIC (*1) | Due date (*2) | Status | Remarks (*3) |
1 | XXXX | XXX | 2022/10/31 | Done (*4) | |
2 | XXXX | XXX | 2022/11/30 | Done (*4) | |
3 | XXXX | XXX | 2022/12/31 | In progress (*5) |
*1 Person In Charge (担当する人) の略です
*2 代わりにDeadline を使うときもあります (少しきつい印象がありますが)
*3 代わりにNotesと書くときもあります
*4. 代わりにCompletedと書くときもあります
*5 代わりにOn going を使うときもあります
(*4 や *5の他にも、Started(開始した) / Preparing(準備中) / Running(実行中) / Completed(完了)といった組み合わせや、Done / Not doneのような組み合わせで状況を表すこともあります)
こうした進捗一覧のような表を作って説明する場合、各項目に入る言葉や説明は自由に考えて記入すればよいと思いますが、知っておくと便利なのは、状況 (status)の書き方だと思います。
以下は別のケースの状況(status)の表し方の例です。
Actions & Current Status
カスタマーからの問い合わせやクレーム(case)に対する対応状況を説明する場合の例:
Item# | Case Name | Customer | Action | Status | Notes |
1 | XXXX | XXXX | XXXXXX | Closed | (<-- 完了したという意味) |
2 | XXXX | XXXX | XXXXXX | Closed | (<-- 完了したという意味) |
3 | XXXX | XXXX | XXXXXX | In progress | (<-- 対応中という意味) |
商談のプロジェクトの状況を説明する場合の例:
Item# | Project name | Country | Schedule | Status | Remarks |
1 | XXXX | XXXX | 2022/1Q | Won | (<-- 商談が取れた) |
2 | XXXX | XXXX | 2022/2Q | Lost | (<-- 商談を取れなかった) |
3 | XXXX | XXXX | 2022/4Q | On going | (<-- 商談進行中) |
こうした英語の一覧表を作るとき、「まだこの部分は未確定です」「この部分は確認中なのでまだ未記入です」といった状況を表の中で示さなければならないことがあります。
そんな時に便利なのが「TBD」(未定)と「TBC」(確認中)です。
(TBD = To Be Determined、TBC = To Be Confirmed)
以下は、TBD とTBCを両方入れた、少し強引な日程説明のサンプルですが、テンプレート #001の記事の中で出てきた設定(ある会社が、ハムスター向けのオーガニックフードを販売するために農家から飼料を調達していたが、発注・納品の管理に手間がかかっているので、サプライチェーン管理のための新システム(=新端末)を導入することにしたというストーリー)の続きで、地域の農家に新しい端末を導入しようとしている、その導入日程と進捗状況をまとめた表です。
Timeline and Progress
Installation schedule and PIC of installation of the new supply chain management terminals are as below:
Area | Farmer | Schedule of installation and setup |
Internet connection |
Status | Remarks |
Chiba | XXXXXX | Mid/Aug | Available | Completed | |
Chiba | XXXXXX | Mid/Aug | Available | Completed | |
Fukui | XXXXXX | Mid/Aug | Available | 90% completed | |
Kyoto | XXXXXX | End/Aug | Available | Preparing | |
Okayama | XXXXXX | Mid/Sept | TBC | Preparing | |
Fukuoka | XXXXXX | TBD(*) | Available | Under discussion |
* Tentative schedule: Mid/Oct |
[日本語]
新しいサプライチェーン管理用端末を設置する日程、および導入作業の担当者は以下の通りです。
エリア、栽培者、設置時期、インターネット接続の可否、状況、補足
千葉、(栽培者の名前)、8月中旬、インターネット接続可能、スタータス = 完了
千葉、(栽培者の名前)、8月中旬、インターネット接続可能、スタータス = 完了
福井、(栽培者の名前)、8月中旬、インターネット接続可能、スタータス = 90%完了
京都、(栽培者の名前)、8月下旬、インターネット接続可能、スタータス = 準備中
岡山、(栽培者の名前)、9月中旬、インターネット接続確認中、スタータス = 準備中
福岡、(栽培者の名前)、現在未定、インターネット接続可能、スタータス = 協議中、暫定的な日程は10月中旬
岡山の農家でインターネット回線が既に使えるかについて現在確認中「TBC」、福岡の農家に対する端末導入時期は未定「TBD」、状況(status)は協議中「Under discussion」、暫定的な日程としては10月中旬、という状況を表しています。
最後に、この一連の対応(action)について、スケジュールが遅れそうな要素があるとか、懸念がある場合、その内容と対策などをRisksというタイトルにして、最後のスライドとしてまとめることが、自分の場合、あります。
Risks and Actions
- It might take long time to establish the Internet connection at the farmer in Okayama (岡山の農家へのインターネット接続工事に長期間かかるかもしれない)
- XXXXX
ということで、表を使った「対応状況・進捗の報告」の英語プレゼンのテンプレートをまとめてみました。
今日のポイント:
表を使うと進捗状況をまとめやすい。
ステータスを表す単語や言い回しを覚えておくと、スライドが作りやすい。
TBD(未定)とTBC(確認中)という言葉は便利。
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