我流! 英語プレゼン作成・試行錯誤

試行錯誤しながらなんとか作れるようになった英語プレゼン資料作成の経験、聞いてください

新入社員向け業務説明会 (induction) と社内用語・略語の用語集 (Glossary)

英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。

新入社員向け業務説明会 (induction) と社内用語・略語の用語集 (Glossary)

みなさんは、自分が会社や組織に採用されたとき、職場環境や仕事の進め方について説明してもらったオリエンテーションや業務説明会のことを覚えていますか?

逆に、自分が新入社員の人たちに対して、会社や部署や自分たちの仕事の概要について説明したことはありますか?

社内用語がたくさん入った新入社員向け説明スライド

海外の会社や組織が新人 (経験者、新卒者) を採用した後、その新人の人たちが初めてオフィスに出勤して業務を開始するとき、その会社や組織の中で仕事を進めてもらうための基本的な知識を身に付けてもらうとともに、早く職場に慣れてもらうため、オリエンテーション、およびインダクションと呼ばれる説明会を開催すると思います。

オリエンテーション、インダクション、それにトレーニングを加えて、ざっくり3つのタイプの新人向け説明会があり、(業種や組織によって種類や定義、目的は異なると思いますが)、おおよそ以下のような形態と目的で開催されると思います。

  • オリエンテーション (orientation): 人事部 (HR, Human Resource department) 等が主体となって、数時間〜数日間かけて、その会社/組織で働くための基本的な知識を説明していく説明会
  • インダクション (induction): 配属先のマネージャーが、40分〜1時間程度で、その部署の業務概要やメンバーを紹介する説明会。あるいは、新規採用されたマネージャーレベル、リーダーレベルの人に対して、各部署の代表者が、 一人 30分〜40分程度で、自分の部署の業務概要を紹介していく説明会
  • レーニング (training): 仕事を担当してもらうために、その業務領域をこなすための専門的な知識を持ってもらうための説明会。例:店舗販売接客トレーニング、コールセンター応答トレーニング、システム提案作成テクニカルトレーニング、等。

この中の「インダクション」は、新規に組織に参画した人に対し、自分たちの部署と業務のことを早く知ってもらうことを目的としていますが、人事 (HR) が進める「オリエンテーション」のようにしっかり丁寧に資料を準備して実施する、というマネージャー/代表者もいれば、日ごろ使っているプレゼン資料などからスライドや図表を抜粋して即席でプレゼン資料を作り、気軽にざっくばらんに説明する、といったマネージャー/代表者もいると思います。

後者の場合、スライドの中に、その会社や組織の人しか分からない、いわゆる会社用語 (office jargon/technical jargon)、その組織や業界では普通に使われている略語 (abbreviation) や略字語 (acronym) などが入っていることも多く、またそうした用語に対して注記を付けたり、口頭で補足したりせずに、「インダクション」の中で説明を続けていってしまうことが結構あると思います。

話を聞いている新人さんたちは、自分の知らない言葉が出てきたところで、「なんだろう、それ?」と考えてしまい、せっかく熱心に説明をしてもらってはいるのですが、そこで突っかかってしまい、スムーズに理解が進まない、ということも起きます。

説明をする側は、「分からないことがあったら、躊躇せずに、何でも質問してくださいね〜」などとフランクに言っているので、分からなければ質問してくれるだろう、と思いがちで、新人さんたちからすると、知らない単語がいくつもあると、それを1つ1つ質問して答えてもらうのは、マネージャー/代表者に対して申し訳ないし、その度に説明の流れがとぎれてしまうので、質問するのを遠慮してしまうかもしれません。

そこで、インダクションやオリエンテーションの説明を担当することになったら、自分のプレゼン資料の中に会社用語や業界用語、分かりづらい略語や組織独自の短縮語が書かれてないかよ〜く注意しながら確認して、もしあれば用語説明の補足 (注釈) を付けておくと、新人の人たちに喜ばれます。

自分はインダクションやトレーニングのトレーナーを担当したことがあります。

その際、会社独自の用語や略語が結構書かれている英語のスライドをそのまま使って、所属する部署や業務のことを説明したのですが、かなり後になって参加者から、「あの時は分からない用語が多かった...」などと言われて、反省したことがありました。

また、別の人からは、「この組織が独自に定義して使っている用語を、用語集の形にしてまとめてほしい」といった要望を受けたこともあります。

ということで、ごく簡単なものであっても、とても有効だと思いますので、新人の人たち向けのプレゼンの中で、会社用語や難解略語を一覧できる形で資料の最後にまとめておくとよいと思います。

例えば、このブログで設定している架空の会社 ”Happy & Healthy Hamsters” 社の商品企画開発チームの人が、新規採用の人たちに対して自分たちの業務説明をする際、以下のような用語集 (Glossary) のスライドを、プレゼン資料の最後に補助資料 (Appendix) として付けておくと、後で配布資料としてこのプレゼンスライドをもらった新人さんたちが用語の確認ができて、喜ばれると思います。

インダクションのプレゼン資料の最後に付ける用語集 (Glossary) の例

 

今日のポイント:
新入社員向けの業務説明会 (induction) のプレゼン資料を用意するときに、ありもののスライドを集めたようなプレゼン資料でもよいと思いますが、そこに書かれている社内用語や難解な略語の意味が分かるよう、出来る限り注釈を付けるとともに、プレゼン資料の最後に用語集 (glossary) を付けてあげると、新入社員の人たちに喜ばれると思います。

 

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英語プレゼンテーション テンプレート  #011 : 「在庫・製販管理」

英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。

英語プレゼン資料 テンプレート集  #011 : 「在庫・製販管理」

みなさんは、お店で商品の仕入れや在庫の管理を担当したり、メーカーや商社で製造・調達・販売・在庫の管理を担当したとしたら、毎週/毎月の在庫管理の会議で、どんなプレゼン資料を作って報告しようとしますか?

製販・在庫管理のイメージ

自分は、「在庫管理」という言葉を聞くと、住宅団地の給水タンクを思い浮かべます。

浄水場から供給される水道水が給水タンクに溜まっていく一方で、そこに住む人たちが蛇口をひねって水を使うので、タンク内の水道水は減っていきます。

住人の水の使用量を予測して、タンクに水が入るほうの水道管のバルブの開け方・締め方を決めて、タンクの中の水が空にならないようにする一方、予想と異なり水があまり使われず、タンクから水があふれるんじゃないかと冷や冷やする、そんな給水管理を続けるイメージです。

在庫 (inventory) の量や、在庫の増減に影響する製造 (manufacturing)、調達 (procurement)、 販売 (sales) の状況を確認する会議のことを、「Supply Chain Management Meeting」とか「Inventory Management Meeting」とか「Manufucturing-Sales Strategy Meeting」と呼ぶことが多いと思います。

今回の記事では、そうした在庫・製販管理の状況について会議で説明するための英語プレゼン資料 (英語スライド) についてまとめてみました。

架空の会社 ”Happy & Healthy Hamsters” 社では、月に一度、管理部門が主催する「製販・在庫会議 (Supply Chain Management Meeting)」が開催され、最新の製品在庫とセールスの数字が共有されるとともに、課題の認識合わせと対策の協議が行われる、という状況を想定します。

製販・在庫管理会議でレビューされる情報の例

プレゼン資料は、管理部門 (Controll department, Controller) の人が毎月用意するという想定にしますが、通常、ビジネス視点で重要かつ基本となる以下の在庫関連の数字は、必ず資料に記載されて共有されるのではないかと思います。

  1. 最新の在庫の金額 (Amount of inventory)
  2. 最新の在庫の回転日数、または回転率 (Days Sales of Inventory, or Inventory Turnover Rate)
  3. 上記数字の推移 (Trend)

会議では、最初にこうした在庫に関わる数字を共有した後、更に必要に応じて営業部門が最新の販売金額や今後の販売見込みについて説明したり、製造部門/調達部門が在庫の充当状況や今後の生産/調達計画を説明したりする、という流れになると思います。

こうした会議の目的と流れを考慮し、プレゼン資料の構成を以下のようにしました。

テンプレート #011 の構成

このブログで、これまでまとめたテンプレートの中で一番シンプルなものになり、冒頭のアジェンダさえ付いていませんが、月次の在庫確認会議、サプライチェーン管理ミーティングのプレゼン用スライドというのは、こんな感じで数字だけを共有するための簡潔なものになることが多いのではないかと思います。

 

在庫報告のスライドです。

在庫報告のスライド

[説明]
上記は、製品カテゴリ毎の在庫の状況をまとめたスライドの例ですが、製品カテゴリの代わりに製品モデル毎のリストを作ったり、地域毎、店舗毎、販売経路毎の状況をリスト化してレビューする会社や組織もあると思います。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • Total Inventory Amount: 各製品カテゴリ毎の在庫金額の合計です。
  • Days Sales of Inventory (DSI): 在庫の回転の度合いを示し、単位は日です。(棚卸資産回転日数)
  • Target: 目標値
  • Actual: 実績値
  • Ratio: 1 - (Actual ÷ Target) (%)
  • ± (差分): Actual - Target (days)

在庫の水準を、経営管理の視点で調整し、最終利益や貸借対照表を健全な状態に保つことに第一の責務としている H&H Hamsters社の管理部署の人たちは、在庫金額を出来る限り低く抑え (増やさない)、在庫の回転率は可能な限り上げることを目指します。

そのために、会計年度が始まる時点で、在庫金額と回転率の目標値 (target) を設定しておき、毎月その時の実績値 (actual) と比較し、「金額が目標値を超えてしまい、目標未達になっている」とか「比率が大幅に改善して、今月は目標をキープしている」といったコメントをします。

そうしたコメントは、プレゼンのスライドの中には書き込みませんが、例えば、以下のような文言で口頭で説明します。

  • We are pleased to imform you that Pet Food group achieved their inventory amount target as well as DSI target at the end of this fiscal year. (ペットフード部門は、この年度末に、在庫金額と在庫回転日数の両方で目標を達成したことを報告します)
  • We highly appreciate your great effort to manage your inventory. (みなさんの在庫管理に対する努力にたいへん感謝します)

 

在庫報告 (トレンド) のスライドです。

在庫報告 (トレンド) のスライド

[説明]
一つ前の在庫報告の値について、月別の変化が分かるようにしたものです。

リストに加え、トレンドチャートのようなグラフも用意することもあります。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • Inv. AMT: Inventory amount (在庫の総額) の表記を短くしたものです
  • DSI: Days Sales of Inventory (棚卸資産回転日数) の表記を短くしたものです

別の記事 (セールスレポート用テンプレート #010 等)にも書きましたが、数値のトレンド (傾向、変化) について説明するときによく使われる英語の表現が以下です。

  • XXXX increased by YY (YYだけ増加した)
  • XXXX increased by YY% (YY%増加した)
  • XXXX increased to YYYY (増加してYYYYとなった)
  • XXXX decreased by YY (YYだけ減少した)
  • XXXX decreased by YY% (YY%減少した)
  • XXXX decreased to YYYY (減少してYYYYとなった) 

 

販売報告のスライドです。

販売報告のスライド

[説明]
在庫報告のリストと見比べながら販売状況と在庫状況を分析出来るよう、月毎の販売総額や数量を同じような分類でまとめた販売報告のリストです。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • AMT: Amount (売上げの総額) の表記を短くしたものです
  • Qty: Quantity  (売上げの数量) の表記を短くしたものです。単位は1個単位だったり千個単位だったりと、商品によって変わります

 

ということで、今回の記事では、在庫・製販管理の状況について会議で説明するための英語プレゼン資料 (英語スライド) についてまとめてみました。

スライド自体はリストを張り込むだけで簡単に作れそうですが、会議では口頭 (英語) で説明をしなければなりません。

数字自体については、定型的な英語の言い回しを使って説明できそうですが、状況が悪化した、あるいは改善した部分があって、その背景や課題についても説明する必要がある場合、パターン化した英文だけでは全てをカバー仕切れないと思われ、英語での説明の仕方については本やネットで適当な英語表現を探して、会議当日までに説明できるようにしておく必要があると思います。

また、いちばん苦労しそうなのは、会議の後の議事録作りかと思います。

「在庫さえあれば、もっといくらでも売上げたのに!!」「営業の言ってた量だけ調達したのに、全然売れず、これだけ在庫が積み上がってしまったぞ!!!」などと、英語でけんけん、ガクガクの議論になるかもしれず、そうした会話のスピードに負けずに、正確に聞き取って議事録をおこすのは、なかなかたいへんそうです。

会議の様子を録音しておく等、議事録作成のためのバックアップ対策も大事ですね...。

 

今日のポイント:
在庫の状況を説明するプレゼン資料は、数字を伝える、シンプルなものでも良さそう。

 

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英語プレゼンテーションで使うフォントスタイルと文字の色

英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。

英語プレゼンで使うフォントスタイルと文字の色

みなさんは、プレゼン資料 (スライド) を作るときの、フォントのスタイル (太字、斜体、下線)や文字の色の付け方について、何か決まったルールを持っていますか?

プレゼン資料のフォントスタイルとフォントの色の使い方

 

自分は、日本語のプレゼンと英語のプレゼンとで共通の、フォントスタイルや文字色に関する自分なりの以下のようなルールを持っていました。

  • 使う色には共通の意味を持たせ、スライド間で統一した色使いをする
  • 基本的に文字の色は黒にする
  • 素晴らしい結果、進捗したこと等、ポジティブな内容であることを示したいときは、文字を青色にする
  • 残念な結果、遅れていること等、ネガティブな内容であることを示したいときは、文字は赤色にする
  • 特に強調したい部分は太字にする
  • 更に強調したい場合は、文字の背景色をイエローやみず色にし、更にさらに強調したいときは紫色などにする

自分が作る英語のプレゼン資料では、「概要 (Overview)」や「まとめ (Summary)」、「結論 (Conclusion)」のスライド等、説明する文章を略さずにまるまる書き込んでしまうことが多く、文字数の多いスライドが何枚も入っている資料に仕上がることが多々あります。(本番でスライドを見ながら読み上げるだけでよく、暗記したり、メモなどを見るなどの手間が省け、後で配布したときも理解してもらいやすい)

そうした出来上がったスライドを自分で読んでみると、英語で書いてあることもあり、文章に目を通して理解するのに結構時間がかかると感じます。

スライド1枚当たり平均して1分か2分程度で説明を済ませなければならないことを考えると、表示している時間内に全て読んでもらう (または自分が早口で読み上げて理解してもらう) のは難しいだろうと考え、注目して欲しい箇所を、フォントスタイルを太字に変え、文字の色を変えて、更に文字の背景色も付けて強く強調させて、そこだけは少なくとも頭に入れてもらう、印象に残すことを目指して、毎回英語のプレゼンに臨んでいました。

しかし、海外の人たちは、あっという間に英語の文章を読み切れるようで、表示したプレゼン資料を見ているどの人も、自分が口頭で説明している時間の 1/3 〜 1/4 くらいの時間で書かれている内容を読み終えているようでした。(ほんの一瞬、と感じられるくらいに)

自分がスライドに書いた説明文は、自分が想像した以上に素早く読み切ってもらえる、わざわざ手を変え品を変えて強調 (highlighted) しなくても、要点を理解してもらえそうなことが、だんだんと分かってきました。

一方、いろいろなフォントスタイルや文字色を多用すると、弊害もあり、読み手にはうっとおしく見えたり、混乱させてしまったり、重要部分がかえって散漫になり把握してもらえないかも、と思うようになりました。

そんなことを思い始めてから、英語ネイティブな人たちは、自分たちのスライドにどのようなフォントスタイルや文字色を使っているかチェックするようにしているのですが、多くのプレゼン資料で見られる傾向は以下のようなものでした。

  • 太字は使われているが、項目名の部分とか、本当に強調したい部分などに絞って使っている
  • 強調したい部分を、太字で強調する人と、太字+下線で強調する人がいる
  • 呼びかけるような文 (例: Just ask us) や個人的なコメントを追記したような部分で、斜体 を使う人がいる(斜体はそんなに頻繁には使われていない感じ)
  • 文字色や文字の背景色を、(自分がやってきたように) 複雑変更するはいなかった
  • 黒文字赤文字、など、黒以外にもう1色を使うくらいのシンプルな文字色の使い方をしている人がほとんど

以上の観察から、英語でプレゼン資料を作る場合は、フォントスタイルや文字色はシンプルな使い方のほうがよさそうだと考えました。

例えば、この記事の冒頭のイラストにある英語スライドですと、以下のような強調の仕方をするのが良さそうです。

太字と下線を使って重要箇所をシンプルに強調する

[日本語]
概要
- 2022年の顧客調査の結果は、ハムスター専用のペットホテルに対する大きな潜在的な需要があることを示しています
- ハムスターの飼い主たちは、素早く、簡単に、安全にハムスターを預けられるペットホテルを探しています
- 私たちハッピー&ヘルシー ハムスター社は、既存の製品とサービスを組み合わせることで、飼い主たちのニーズに応えるペットホテル・サービスを提供することが出来ます
- 本日は、その新サービス「ハムスター向けカプセルホテル@コンビニ」のビジネス企画の詳細を説明します
- 次の段階へ進むことへの承認をいただきたいと思っています

参考まで、フォントスタイルの英語は以下です。

  • 太字:bold
  • 斜体:italic (厳密に言うと、文字を斜めに倒しただけの「斜体」と、斜めに倒して更に筆記体に近くした「イタリック体」の2種類があるようですが、取りあえず italic)
  • 下線:underline

プレゼン中に、例えば色付けした部分のことを話したいとき、以下のような言い方から説明を初めています。

  • 日本語「赤文字の部分が私たちにとって重要な課題です」
  • 英語「The red-highlighted parts are important issues for us」とか「The important issues for us are red-highlighted」

 

今日のポイント:
英語のプレゼン資料 (スライド) の中で強調させたい部分がある場合、フォントスタイルや文字色をあまり複雑に変えずに、シンプルな変更 (太字、太字+下線)や、黒+もう一色くらいにとどめるのが良さそう。
(これは英語のプレゼンテーションに限らず、日本語のプレゼンにも言えそうですが...)

 

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