我流! 英語プレゼン作成・試行錯誤

試行錯誤しながらなんとか作れるようになった英語プレゼン資料作成の経験、聞いてください

英語プレゼンテーション テンプレート  #011 : 「在庫・製販管理」

英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。

英語プレゼン資料 テンプレート集  #011 : 「在庫・製販管理」

みなさんは、お店で商品の仕入れや在庫の管理を担当したり、メーカーや商社で製造・調達・販売・在庫の管理を担当したとしたら、毎週/毎月の在庫管理の会議で、どんなプレゼン資料を作って報告しようとしますか?

製販・在庫管理のイメージ

自分は、「在庫管理」という言葉を聞くと、住宅団地の給水タンクを思い浮かべます。

浄水場から供給される水道水が給水タンクに溜まっていく一方で、そこに住む人たちが蛇口をひねって水を使うので、タンク内の水道水は減っていきます。

住人の水の使用量を予測して、タンクに水が入るほうの水道管のバルブの開け方・締め方を決めて、タンクの中の水が空にならないようにする一方、予想と異なり水があまり使われず、タンクから水があふれるんじゃないかと冷や冷やする、そんな給水管理を続けるイメージです。

在庫 (inventory) の量や、在庫の増減に影響する製造 (manufacturing)、調達 (procurement)、 販売 (sales) の状況を確認する会議のことを、「Supply Chain Management Meeting」とか「Inventory Management Meeting」とか「Manufucturing-Sales Strategy Meeting」と呼ぶことが多いと思います。

今回の記事では、そうした在庫・製販管理の状況について会議で説明するための英語プレゼン資料 (英語スライド) についてまとめてみました。

架空の会社 ”Happy & Healthy Hamsters” 社では、月に一度、管理部門が主催する「製販・在庫会議 (Supply Chain Management Meeting)」が開催され、最新の製品在庫とセールスの数字が共有されるとともに、課題の認識合わせと対策の協議が行われる、という状況を想定します。

製販・在庫管理会議でレビューされる情報の例

プレゼン資料は、管理部門 (Controll department, Controller) の人が毎月用意するという想定にしますが、通常、ビジネス視点で重要かつ基本となる以下の在庫関連の数字は、必ず資料に記載されて共有されるのではないかと思います。

  1. 最新の在庫の金額 (Amount of inventory)
  2. 最新の在庫の回転日数、または回転率 (Days Sales of Inventory, or Inventory Turnover Rate)
  3. 上記数字の推移 (Trend)

会議では、最初にこうした在庫に関わる数字を共有した後、更に必要に応じて営業部門が最新の販売金額や今後の販売見込みについて説明したり、製造部門/調達部門が在庫の充当状況や今後の生産/調達計画を説明したりする、という流れになると思います。

こうした会議の目的と流れを考慮し、プレゼン資料の構成を以下のようにしました。

テンプレート #011 の構成

このブログで、これまでまとめたテンプレートの中で一番シンプルなものになり、冒頭のアジェンダさえ付いていませんが、月次の在庫確認会議、サプライチェーン管理ミーティングのプレゼン用スライドというのは、こんな感じで数字だけを共有するための簡潔なものになることが多いのではないかと思います。

 

在庫報告のスライドです。

在庫報告のスライド

[説明]
上記は、製品カテゴリ毎の在庫の状況をまとめたスライドの例ですが、製品カテゴリの代わりに製品モデル毎のリストを作ったり、地域毎、店舗毎、販売経路毎の状況をリスト化してレビューする会社や組織もあると思います。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • Total Inventory Amount: 各製品カテゴリ毎の在庫金額の合計です。
  • Days Sales of Inventory (DSI): 在庫の回転の度合いを示し、単位は日です。(棚卸資産回転日数)
  • Target: 目標値
  • Actual: 実績値
  • Ratio: 1 - (Actual ÷ Target) (%)
  • ± (差分): Actual - Target (days)

在庫の水準を、経営管理の視点で調整し、最終利益や貸借対照表を健全な状態に保つことに第一の責務としている H&H Hamsters社の管理部署の人たちは、在庫金額を出来る限り低く抑え (増やさない)、在庫の回転率は可能な限り上げることを目指します。

そのために、会計年度が始まる時点で、在庫金額と回転率の目標値 (target) を設定しておき、毎月その時の実績値 (actual) と比較し、「金額が目標値を超えてしまい、目標未達になっている」とか「比率が大幅に改善して、今月は目標をキープしている」といったコメントをします。

そうしたコメントは、プレゼンのスライドの中には書き込みませんが、例えば、以下のような文言で口頭で説明します。

  • We are pleased to imform you that Pet Food group achieved their inventory amount target as well as DSI target at the end of this fiscal year. (ペットフード部門は、この年度末に、在庫金額と在庫回転日数の両方で目標を達成したことを報告します)
  • We highly appreciate your great effort to manage your inventory. (みなさんの在庫管理に対する努力にたいへん感謝します)

 

在庫報告 (トレンド) のスライドです。

在庫報告 (トレンド) のスライド

[説明]
一つ前の在庫報告の値について、月別の変化が分かるようにしたものです。

リストに加え、トレンドチャートのようなグラフも用意することもあります。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • Inv. AMT: Inventory amount (在庫の総額) の表記を短くしたものです
  • DSI: Days Sales of Inventory (棚卸資産回転日数) の表記を短くしたものです

別の記事 (セールスレポート用テンプレート #010 等)にも書きましたが、数値のトレンド (傾向、変化) について説明するときによく使われる英語の表現が以下です。

  • XXXX increased by YY (YYだけ増加した)
  • XXXX increased by YY% (YY%増加した)
  • XXXX increased to YYYY (増加してYYYYとなった)
  • XXXX decreased by YY (YYだけ減少した)
  • XXXX decreased by YY% (YY%減少した)
  • XXXX decreased to YYYY (減少してYYYYとなった) 

 

販売報告のスライドです。

販売報告のスライド

[説明]
在庫報告のリストと見比べながら販売状況と在庫状況を分析出来るよう、月毎の販売総額や数量を同じような分類でまとめた販売報告のリストです。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • AMT: Amount (売上げの総額) の表記を短くしたものです
  • Qty: Quantity  (売上げの数量) の表記を短くしたものです。単位は1個単位だったり千個単位だったりと、商品によって変わります

 

ということで、今回の記事では、在庫・製販管理の状況について会議で説明するための英語プレゼン資料 (英語スライド) についてまとめてみました。

スライド自体はリストを張り込むだけで簡単に作れそうですが、会議では口頭 (英語) で説明をしなければなりません。

数字自体については、定型的な英語の言い回しを使って説明できそうですが、状況が悪化した、あるいは改善した部分があって、その背景や課題についても説明する必要がある場合、パターン化した英文だけでは全てをカバー仕切れないと思われ、英語での説明の仕方については本やネットで適当な英語表現を探して、会議当日までに説明できるようにしておく必要があると思います。

また、いちばん苦労しそうなのは、会議の後の議事録作りかと思います。

「在庫さえあれば、もっといくらでも売上げたのに!!」「営業の言ってた量だけ調達したのに、全然売れず、これだけ在庫が積み上がってしまったぞ!!!」などと、英語でけんけん、ガクガクの議論になるかもしれず、そうした会話のスピードに負けずに、正確に聞き取って議事録をおこすのは、なかなかたいへんそうです。

会議の様子を録音しておく等、議事録作成のためのバックアップ対策も大事ですね...。

 

今日のポイント:
在庫の状況を説明するプレゼン資料は、数字を伝える、シンプルなものでも良さそう。

 

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