英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。
英語プレゼン資料 テンプレート集 #001 : 課題の共有
英語で自分たちの考えを説明したり、相手の考えを聞くような打ち合わせが予定されているとき、自分のプレゼン資料がスムーズに作れると嬉しいですよね。
以前作ったプレゼン資料があって、それが今回の説明にも当てはまり流用できそうなときは、その過去のスライドを改造して、膨大な時間まではかけずに資料を用意することができました。
でも、自分はそんなに数多く英語のプレゼンをしたことはなかったので、すぐに行き詰まりました。
英語プレゼンを作るときの、なんとも不安な気持ちや、資料作成にかける膨大な時間をなるべく減らせるよう、他の人の英語プレゼン (の構造や言い回し) を注意して見るようにして、参考になる部分は覚えるようにしました。
そうした自分や他の人が作ったプレゼン資料の骨組みの部分を、「テンプレート」(スライドのひな形)としてまとめて、溜めていくと、便利かな〜と思い、まとめてみようと思いました。
この記事は、英語テンプレートのまとめの第1件目ですが、テンプレートを見るときに、何か頭に浮かぶストーリやシーンがあるとイメージしやすいかな、と思い、以下のような架空の会社と架空の商品・サービスを設定してみました。(今後しばらくは、この架空の会社で行われるプレゼンのための資料作りを想定していきたいと思います)
今回のテンプレート #001: 課題の共有 は、今抱えている課題を相手と共有し、大まかにどんな対応を取る必要があるかを説明するためのものです。
想定する状況としては、H&H ハムスター社の主力商品であるハムスター用オーガニック飼料の在庫切れが頻繁に発生し、カスタマー (顧客や販売業者) からのクレームが増加、前の四半期の売り上げと利益は大きく下がり、原因の明確化と至急の対策の実施と恒久的な解決が必要である、を考えてみました。
まずプレゼン資料全体の構成とアジェンダ (agenda) ですが、以下のようにしました。
Agenda
- Objectives 目的
- Background 背景
- Issues 問題点
- Challenges 課題
- Actions taken 対策(案)
- Requests to XXXXX XXXXXへの要望
次に「目的」のスライドですが、以下のようなシンプルな構成・文言にしてみました。
Objectives
- As you are aware, currently we have a serious supply chain issue of the organic pet foods
- Today we would like to update the latest situation and discuss with you how to
improve the issue and how to imprement preventive measures
[日本語]
(打ち合わせの)目的
- みなさんも認識しているとおり、現在私たちはオーガニック・ペットフードに関わる深刻なサプライチェーンの問題を抱えています。
- 本日は、最新の状況をお伝えするとともに、どのようにこの問題を改善し、再発防止策を講じるかについて、みなさんと協議したいと思っています。
「背景」について、独立した1枚のスライドにまとめました。(なお、この背景の説明を、1つ前の「目的」に含めてしまう、あるいは1つ後の「問題点」のスライドへ持っていくこともできると思います)
Background
-Supply Chain Journey of the two organic food products is as follows:
-The supply chain management system does not cover new local farmers e.g. Farmer-X and we manually manage the purchase orders from them, logistics and inventory control
- XXXXX often occurs
- YYYYY is not ZZZZ
- WWWWW
[日本語]
背景
- 2つのオーガニックフード製品のサプライチェーンのプロセスは以下のとおりです。
- このサプライチェーン管理システムは、新たなその地域の農家 (例えば 農家X) をカバーしておらず、私たちは手作業で彼らからの注文、物流、そして在庫の管理をしています。
- XXXXX が頻繁に発生
- YYYYY が ZZZZZ でない(例: 在庫量の管理が適切でない)
参考まで、Supply Chain Journey のJourney (ジャーニー) というのは、工程とか一連のプロセスのことを意味していて、カスタマー・ジャーニー、ビジネス・ジャーニー、サービス&サポート・ジャーニーなどといった使われた方もします。
当初、自分はプロセス図や仕事の流れなどを「〜 process」とか「〜 process flow」といった書き方でスライド内で説明していましたが、海外の人が 〜journey を使うのを見て、なんかかっこいいなと思い、自分もXXXXジャーニーを使ってみています。(違和感があるとか言われていないので、大丈夫そうです...)
次に、具体的な「問題点」の説明です。
グラフやリストを添付して、XXXがいくつまで悪化した、XXXが何%減少した、XXXがいくつまで上昇してしまった、といった説明をすることがけっこうあると思いますので、その例文を記載してみました。
Issues
- XXXX increased by YY%
- XXXX increased to YYYY
- XXXX decreased by YY%
- XXXX decreased to YYYY
- There is no 〜
- Need more XXXX 〜
[日本語]
問題点
- XXXX が YY %増加した。
- XXXX が YYYYにまで増加した。
- XXXX が YY %減少した。
- XXXX が YYYYまで減少した。
- 〜がないこと。〜の不在。
- 更に XXXX が必要。
(参考: 減少するという単語のdecreaseは、類似の意味を持つ declineやgo down、dropなどにたまに置き換えて記載してます)
次に、目の前に立ちはだかる「課題」、困難そうな内容のまとめを入れてみました。
この一連のテンプレートでは、問題点とその背景を詳しく説明することを目的にしているため、「目的」「背景」「問題点」「課題」のように分けて説明してますが、状況や資料の使用目的によっては、いずれかのパートを統合してスライドの流れを簡素化してもいいと思います。
Challenges
Interim solutions:
- Need to streamline communications among Procurement team, Inventory management team and Sales team
- NO annual budget to modify the existing supply chain management system this year
- Look for ways to consolidate communications related to inventory control
Permanent solutions:
- Must replace the existing supply chain management system with a new one
- Implement a new supply chain process based on the new system into the relevant organizations
[日本語]
課題
暫定的な解決策 :
- 調達チーム、在庫管理チーム、営業チーム間のコミュニケーションを改善する必要がある。
- 今年度は、現行のサプライチェーン管理システムの改修を行うための予算がないこと。
- 在庫管理に関連するやり取りを統合する方法を見つけること。
恒久的な解決策 :
- 既存のサプライチェーン管理システムを新しいものに置き換えるなければばらない。
- その新システムを基にした、新たなサプライチェーンのプロセスを関連する組織に導入すること。
最後に、打ち合わせに参加しているXXXXX (例:偉い方や関連する部署) への「要望」のまとめです。
Requests to XXXXX
- Establish project team to realize the permanent solutions
- Weekly Task Force meeting to review the progress of the interim solutions
- Tangble plan for the system replacement including timeline
- Annual budget for the system replacement
-
[日本語]
XXXXX への要望
- 恒久対策を実現するためのプロジェクト・チームの立ち上げ
- 暫定対策の進捗状況をレビューするための週次タスクフォース・ミーティング (の開催)
- 目標日程を含むシステム更新のための具体的な計画 (の作成)
- システム更新のための来期の予算 (の検討)
ということで、この打ち合わせの「目的」、起きている「問題」、その「背景」、目の前に横たわる大きな「課題」、関係者への「要望」、という順にまとめる英語プレゼンスライドのスケルトン (テンプレート)を、 言い回しのサンプルを少し付けて、まとめてみました。
このように共有された課題に対して、どんな対策を取るのか、その提案のためのプレゼン、対策を進めてみた結果どうなったかを報告するためのプレゼン、のためのテンプレートを、次回以降にまとめたいと思います。
(参考:最後のスライドにサンプルとして入れている文の中の、プロジェクト・チーム (project team) とタスクフォース (task force) ですが、どちらも一時的に人が集めれられたチームのことです。その違いは、タスクフォースのほうが急ぎの課題に対処するために集められたものなのに対して、プロジェクト・チームのほうはそれほど急ぎではなく、長めの期間で課題に対応するために作らたもの、です。そういう理解でいます。)
今日のポイント:
解決しなければならない問題の内容と、解決するための課題と要望を、相手に知ってもらうための英語プレゼンのテンプレートの例をまとめてみました。
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