我流! 英語プレゼン作成・試行錯誤

試行錯誤しながらなんとか作れるようになった英語プレゼン資料作成の経験、聞いてください

英語の苦手な日本の人が多く参加する会議のためのプレゼン資料

英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。

英語の苦手な日本の人が多く参加する会議のためのプレゼン資料

みなさんは、英語が苦手な日本の人も多く参加する、海外の人たちとの会議で説明することになったら、どのようなプレゼン資料 (説明用スライド) を作ろうと思いますか?

英語が苦手な日本の人が出席する会議でのプレゼン資料をどう作るか?

おおよそ、以下の4つの案があるのではないかと思います。

  1. 全てのスライドを、英語と日本語の説明を併記した形にして作成する
  2. 全てのスライドを、英語のみで作成する。ただし、重要な部分や分かりづらい表記のところには、日本語の吹き出しや脚注を入れる
  3. 全てのスライドを、同じ内容で、英語版と日本語版の両方を作成し、それぞれの言語でパッケージ化したプレゼンファイルを用意する。会議では主に英語版のプレゼンファイルを見せながら英語で説明する。日本の人から「日本語で説明して欲しい」と言われたら、日本語版のプレゼンファイルの該当ページを表示して、日本語で説明する。
  4. 全てのスライドを、同じ内容で、英語版と日本語版の両方を作成し、先頭から順に英語スライドの1ページ目、日本語スライドの1ページ目、英語スライドの2ページ目、日本語スライドの2ページ目、...のように英日交互に並べて1つのパッケージにしたファイルを用意する。会議では、英語版のスライドだけひとつ飛ばしで見せながら (日本語のスライドはスキップ) 英語で説明する。日本の人から「日本語で説明して欲しい」と言われたり、説明を聞いている人たちの顔を見て「英語で話したけど、理解してもらえてないかも...」と感じたときには、その次のページにある日本語版のスライドを出して説明する。

案1:日英併記

案2:英語版のみ作成 ・重要/難解な箇所には日本語の注記

案3:英語版と日本語版の2つのパッケージを作成

案4:英語版スライドと日本語版スライドを交互に並べる

どの案が最も良さそうか、というと、会議の目的や長さ、参加している日本の人たちとの関係、資料作成に当てられる時間、などによると思います。

出席する日本の人たちが、自分たちにとってとりわけ重要な人たちの場合には、案1 (全てのスライドで英語と日本語の説明を併記する) が最も丁寧な見せ方になり、適当だと思います。

ただ、前述の案1のイメージ図のように、文章だけのスライドで構成するプレゼン資料であれば英日併記の資料を作りやすいのですが、スライド上に図や表やグラフが入ってきたりすると、2言語で併記するにはレイアウト的にも表現の仕方の上でも、かなり細かな配慮や作業が必要になり、作成するために多くの手間と時間がかかるので、シンプルに作成できる他の案を選びたくなります。

会議の後に資料を配付することを考えると、日本の人たちにも配布した資料の内容を十分に分かってもらうために、案3 (英語版と日本語版の2つのパッケージを作成) が基本になると思います。

英日の2つのパッケージは用意しておくものの、会議当日は案2 (英語版のみ作成 ・重要/難解な箇所には日本語の説明を入れる) や案4 (英語版スライドと日本語版スライドを交互に並べる) の形にしておくと、思った以上にスムーズに説明や質疑応答が進められた経験があります。(案4は意外と使いやすかった。)

ということで、英語の苦手な日本の人が多く参加する会議のためのプレゼン資料を用意する場合、ケースバイケースではありますが、英語版と日本版の両バージョンのスライドを作成しておき、会議中は英語版をベースにして少し日本語の補足を入れたり、日本語版スライドと混合した資料を使ってプレゼンして、プレゼン資料の準備、会議中の進行のスムーズさ、配布する資料の準備をそれぞれ効率的に進めることが出来た、ということを経験してます。

 

補足:

会議の中で、日本の人たちからの質問等をきっかけに、日本人同士で長々と日本語で会話してしまうことが多々あります。

海外から参加している人たちにとっては、何が話されているかさっぱり分からず、話が終わるまで待たされることになるので、そうなり始めたら「Sorry in Japansese!」と言って、少しの間日本語で話させてね、と伝えておくようにしてます。

 

今日のポイント:
英語の苦手な日本の人が多く参加する会議では、①英語版と日本版の両方のスライドを作成し、②その英語版をベースにして少し日本語の説明を入れたプレゼン資料を用意するか、③英日のスライドを交互に配したプレゼン資料を用意して、スムーズに説明が出来るようにしてます。

 

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新入社員向け業務説明会 (induction) と社内用語・略語の用語集 (Glossary)

英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。

新入社員向け業務説明会 (induction) と社内用語・略語の用語集 (Glossary)

みなさんは、自分が会社や組織に採用されたとき、職場環境や仕事の進め方について説明してもらったオリエンテーションや業務説明会のことを覚えていますか?

逆に、自分が新入社員の人たちに対して、会社や部署や自分たちの仕事の概要について説明したことはありますか?

社内用語がたくさん入った新入社員向け説明スライド

海外の会社や組織が新人 (経験者、新卒者) を採用した後、その新人の人たちが初めてオフィスに出勤して業務を開始するとき、その会社や組織の中で仕事を進めてもらうための基本的な知識を身に付けてもらうとともに、早く職場に慣れてもらうため、オリエンテーション、およびインダクションと呼ばれる説明会を開催すると思います。

オリエンテーション、インダクション、それにトレーニングを加えて、ざっくり3つのタイプの新人向け説明会があり、(業種や組織によって種類や定義、目的は異なると思いますが)、おおよそ以下のような形態と目的で開催されると思います。

  • オリエンテーション (orientation): 人事部 (HR, Human Resource department) 等が主体となって、数時間〜数日間かけて、その会社/組織で働くための基本的な知識を説明していく説明会
  • インダクション (induction): 配属先のマネージャーが、40分〜1時間程度で、その部署の業務概要やメンバーを紹介する説明会。あるいは、新規採用されたマネージャーレベル、リーダーレベルの人に対して、各部署の代表者が、 一人 30分〜40分程度で、自分の部署の業務概要を紹介していく説明会
  • レーニング (training): 仕事を担当してもらうために、その業務領域をこなすための専門的な知識を持ってもらうための説明会。例:店舗販売接客トレーニング、コールセンター応答トレーニング、システム提案作成テクニカルトレーニング、等。

この中の「インダクション」は、新規に組織に参画した人に対し、自分たちの部署と業務のことを早く知ってもらうことを目的としていますが、人事 (HR) が進める「オリエンテーション」のようにしっかり丁寧に資料を準備して実施する、というマネージャー/代表者もいれば、日ごろ使っているプレゼン資料などからスライドや図表を抜粋して即席でプレゼン資料を作り、気軽にざっくばらんに説明する、といったマネージャー/代表者もいると思います。

後者の場合、スライドの中に、その会社や組織の人しか分からない、いわゆる会社用語 (office jargon/technical jargon)、その組織や業界では普通に使われている略語 (abbreviation) や略字語 (acronym) などが入っていることも多く、またそうした用語に対して注記を付けたり、口頭で補足したりせずに、「インダクション」の中で説明を続けていってしまうことが結構あると思います。

話を聞いている新人さんたちは、自分の知らない言葉が出てきたところで、「なんだろう、それ?」と考えてしまい、せっかく熱心に説明をしてもらってはいるのですが、そこで突っかかってしまい、スムーズに理解が進まない、ということも起きます。

説明をする側は、「分からないことがあったら、躊躇せずに、何でも質問してくださいね〜」などとフランクに言っているので、分からなければ質問してくれるだろう、と思いがちで、新人さんたちからすると、知らない単語がいくつもあると、それを1つ1つ質問して答えてもらうのは、マネージャー/代表者に対して申し訳ないし、その度に説明の流れがとぎれてしまうので、質問するのを遠慮してしまうかもしれません。

そこで、インダクションやオリエンテーションの説明を担当することになったら、自分のプレゼン資料の中に会社用語や業界用語、分かりづらい略語や組織独自の短縮語が書かれてないかよ〜く注意しながら確認して、もしあれば用語説明の補足 (注釈) を付けておくと、新人の人たちに喜ばれます。

自分はインダクションやトレーニングのトレーナーを担当したことがあります。

その際、会社独自の用語や略語が結構書かれている英語のスライドをそのまま使って、所属する部署や業務のことを説明したのですが、かなり後になって参加者から、「あの時は分からない用語が多かった...」などと言われて、反省したことがありました。

また、別の人からは、「この組織が独自に定義して使っている用語を、用語集の形にしてまとめてほしい」といった要望を受けたこともあります。

ということで、ごく簡単なものであっても、とても有効だと思いますので、新人の人たち向けのプレゼンの中で、会社用語や難解略語を一覧できる形で資料の最後にまとめておくとよいと思います。

例えば、このブログで設定している架空の会社 ”Happy & Healthy Hamsters” 社の商品企画開発チームの人が、新規採用の人たちに対して自分たちの業務説明をする際、以下のような用語集 (Glossary) のスライドを、プレゼン資料の最後に補助資料 (Appendix) として付けておくと、後で配布資料としてこのプレゼンスライドをもらった新人さんたちが用語の確認ができて、喜ばれると思います。

インダクションのプレゼン資料の最後に付ける用語集 (Glossary) の例

 

今日のポイント:
新入社員向けの業務説明会 (induction) のプレゼン資料を用意するときに、ありもののスライドを集めたようなプレゼン資料でもよいと思いますが、そこに書かれている社内用語や難解な略語の意味が分かるよう、出来る限り注釈を付けるとともに、プレゼン資料の最後に用語集 (glossary) を付けてあげると、新入社員の人たちに喜ばれると思います。

 

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英語プレゼンテーション テンプレート  #011 : 「在庫・製販管理」

英語のプレゼンで日々試行錯誤している我流 探(がりゅう さぐる)です。

英語プレゼン資料 テンプレート集  #011 : 「在庫・製販管理」

みなさんは、お店で商品の仕入れや在庫の管理を担当したり、メーカーや商社で製造・調達・販売・在庫の管理を担当したとしたら、毎週/毎月の在庫管理の会議で、どんなプレゼン資料を作って報告しようとしますか?

製販・在庫管理のイメージ

自分は、「在庫管理」という言葉を聞くと、住宅団地の給水タンクを思い浮かべます。

浄水場から供給される水道水が給水タンクに溜まっていく一方で、そこに住む人たちが蛇口をひねって水を使うので、タンク内の水道水は減っていきます。

住人の水の使用量を予測して、タンクに水が入るほうの水道管のバルブの開け方・締め方を決めて、タンクの中の水が空にならないようにする一方、予想と異なり水があまり使われず、タンクから水があふれるんじゃないかと冷や冷やする、そんな給水管理を続けるイメージです。

在庫 (inventory) の量や、在庫の増減に影響する製造 (manufacturing)、調達 (procurement)、 販売 (sales) の状況を確認する会議のことを、「Supply Chain Management Meeting」とか「Inventory Management Meeting」とか「Manufucturing-Sales Strategy Meeting」と呼ぶことが多いと思います。

今回の記事では、そうした在庫・製販管理の状況について会議で説明するための英語プレゼン資料 (英語スライド) についてまとめてみました。

架空の会社 ”Happy & Healthy Hamsters” 社では、月に一度、管理部門が主催する「製販・在庫会議 (Supply Chain Management Meeting)」が開催され、最新の製品在庫とセールスの数字が共有されるとともに、課題の認識合わせと対策の協議が行われる、という状況を想定します。

製販・在庫管理会議でレビューされる情報の例

プレゼン資料は、管理部門 (Controll department, Controller) の人が毎月用意するという想定にしますが、通常、ビジネス視点で重要かつ基本となる以下の在庫関連の数字は、必ず資料に記載されて共有されるのではないかと思います。

  1. 最新の在庫の金額 (Amount of inventory)
  2. 最新の在庫の回転日数、または回転率 (Days Sales of Inventory, or Inventory Turnover Rate)
  3. 上記数字の推移 (Trend)

会議では、最初にこうした在庫に関わる数字を共有した後、更に必要に応じて営業部門が最新の販売金額や今後の販売見込みについて説明したり、製造部門/調達部門が在庫の充当状況や今後の生産/調達計画を説明したりする、という流れになると思います。

こうした会議の目的と流れを考慮し、プレゼン資料の構成を以下のようにしました。

テンプレート #011 の構成

このブログで、これまでまとめたテンプレートの中で一番シンプルなものになり、冒頭のアジェンダさえ付いていませんが、月次の在庫確認会議、サプライチェーン管理ミーティングのプレゼン用スライドというのは、こんな感じで数字だけを共有するための簡潔なものになることが多いのではないかと思います。

 

在庫報告のスライドです。

在庫報告のスライド

[説明]
上記は、製品カテゴリ毎の在庫の状況をまとめたスライドの例ですが、製品カテゴリの代わりに製品モデル毎のリストを作ったり、地域毎、店舗毎、販売経路毎の状況をリスト化してレビューする会社や組織もあると思います。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • Total Inventory Amount: 各製品カテゴリ毎の在庫金額の合計です。
  • Days Sales of Inventory (DSI): 在庫の回転の度合いを示し、単位は日です。(棚卸資産回転日数)
  • Target: 目標値
  • Actual: 実績値
  • Ratio: 1 - (Actual ÷ Target) (%)
  • ± (差分): Actual - Target (days)

在庫の水準を、経営管理の視点で調整し、最終利益や貸借対照表を健全な状態に保つことに第一の責務としている H&H Hamsters社の管理部署の人たちは、在庫金額を出来る限り低く抑え (増やさない)、在庫の回転率は可能な限り上げることを目指します。

そのために、会計年度が始まる時点で、在庫金額と回転率の目標値 (target) を設定しておき、毎月その時の実績値 (actual) と比較し、「金額が目標値を超えてしまい、目標未達になっている」とか「比率が大幅に改善して、今月は目標をキープしている」といったコメントをします。

そうしたコメントは、プレゼンのスライドの中には書き込みませんが、例えば、以下のような文言で口頭で説明します。

  • We are pleased to imform you that Pet Food group achieved their inventory amount target as well as DSI target at the end of this fiscal year. (ペットフード部門は、この年度末に、在庫金額と在庫回転日数の両方で目標を達成したことを報告します)
  • We highly appreciate your great effort to manage your inventory. (みなさんの在庫管理に対する努力にたいへん感謝します)

 

在庫報告 (トレンド) のスライドです。

在庫報告 (トレンド) のスライド

[説明]
一つ前の在庫報告の値について、月別の変化が分かるようにしたものです。

リストに加え、トレンドチャートのようなグラフも用意することもあります。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • Inv. AMT: Inventory amount (在庫の総額) の表記を短くしたものです
  • DSI: Days Sales of Inventory (棚卸資産回転日数) の表記を短くしたものです

別の記事 (セールスレポート用テンプレート #010 等)にも書きましたが、数値のトレンド (傾向、変化) について説明するときによく使われる英語の表現が以下です。

  • XXXX increased by YY (YYだけ増加した)
  • XXXX increased by YY% (YY%増加した)
  • XXXX increased to YYYY (増加してYYYYとなった)
  • XXXX decreased by YY (YYだけ減少した)
  • XXXX decreased by YY% (YY%減少した)
  • XXXX decreased to YYYY (減少してYYYYとなった) 

 

販売報告のスライドです。

販売報告のスライド

[説明]
在庫報告のリストと見比べながら販売状況と在庫状況を分析出来るよう、月毎の販売総額や数量を同じような分類でまとめた販売報告のリストです。

それぞれの表記の意味は以下です。

  • AMT: Amount (売上げの総額) の表記を短くしたものです
  • Qty: Quantity  (売上げの数量) の表記を短くしたものです。単位は1個単位だったり千個単位だったりと、商品によって変わります

 

ということで、今回の記事では、在庫・製販管理の状況について会議で説明するための英語プレゼン資料 (英語スライド) についてまとめてみました。

スライド自体はリストを張り込むだけで簡単に作れそうですが、会議では口頭 (英語) で説明をしなければなりません。

数字自体については、定型的な英語の言い回しを使って説明できそうですが、状況が悪化した、あるいは改善した部分があって、その背景や課題についても説明する必要がある場合、パターン化した英文だけでは全てをカバー仕切れないと思われ、英語での説明の仕方については本やネットで適当な英語表現を探して、会議当日までに説明できるようにしておく必要があると思います。

また、いちばん苦労しそうなのは、会議の後の議事録作りかと思います。

「在庫さえあれば、もっといくらでも売上げたのに!!」「営業の言ってた量だけ調達したのに、全然売れず、これだけ在庫が積み上がってしまったぞ!!!」などと、英語でけんけん、ガクガクの議論になるかもしれず、そうした会話のスピードに負けずに、正確に聞き取って議事録をおこすのは、なかなかたいへんそうです。

会議の様子を録音しておく等、議事録作成のためのバックアップ対策も大事ですね...。

 

今日のポイント:
在庫の状況を説明するプレゼン資料は、数字を伝える、シンプルなものでも良さそう。

 

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